経営コンサルティング

Scarcity Value Creation Consulting: 稀少価値創出

 

弊社は、多くの稀少価値のある商品、サービスを取り扱う中で、「なぜ、他と圧倒的に別の存在として識別、共感されるか?」を目の当たりにしてきました。それは、ブランド論=そもそも他社と識別するレベルではなく、圧倒的に唯一無二の存在として立場を確立している中で、その独自性に共感を得ています。逆に、「どのようにして稀少価値を創出し、さらに、他社から模倣されない。」ポジションを構築するかが、我々が学ぶべき点としてあります。

業種・業界の壁が撤廃されて、カオス状態に陥っている昨今であるからこそ、自社の存在価値を明確にして、お客様から見て、稀少価値のある=”The Very Important Company (Person) in the Market”のポジションを築きましょう。


競うための差別化戦略から、独自のニッチで唯一無二の“稀少価値組”企業へ

自社独自の事業領域にて、 自らの強みを用い、共生/共存により、顧客の問題を解決、喜びを増し加え、 共感される「価値組」企業へ。

 

戦うことが前提の経営、マーケティング手法

ビジネスの世界では、あらゆる経営、マーケティング手法が、戦争論と相まって、開発されているのは周知の事実です。例えば、マイケル・ポーター教授が、業界構造に着目した、競争の戦略であるファイブ・フォース・モデル、差別化、コスト・リーダシップ、集中と3つの競争戦略。また、日本では、とても馴染みのあるフレデリック・ランチェスター工学博士が第一次世界大戦の戦いから見出した、ランチェスター戦略。さらに、自社の事業領域を自社、顧客、競合の枠組みで捉えた、3Cモデルなど。常に、戦いを勝ち抜くための戦略、マーケティング手法で溢れています。

 

競争戦略理論におけるニッチ市場

フィリップ・コトラー教授が1980年に提唱した、競争戦略理論の中で、量的、質的経営資源から企業を4つに分類して、市場におけるポジショニングを説いたマーケティング手法です。この中で、経営資源の質が高いが、量が少ないプレーヤーは、狭いニッチ市場で、オンリーワン戦略を遂行することが提唱されています。

つまり、ビジネスの世界で、ニッチを定義すれば、「弱者が強者に勝つための小さい市場」と認識されています。

 

いつまで、非競合エリアを謳歌できるか?

ここで、着目するのは、経営資源の質についてです。現代の情報流通スピード、技術革新により、商品の質的差異を見出すことが難しくなっています。また、大手企業、他市場のプレーヤーがいつでも市場の垣根を飛び越えて侵入しやすくなってきています。

 

「イノベーションのジレンマ」と呼ばれている通り、マーケット・リーダーのエネルギーが内側に向いている際、マーケットにニッチが生まれやすいと言われています。

 

ただ、競合を避けるために「隙間=ニッチ」を見出しても、グローバル、技術発展などにより、商品開発スピードが早まり、他社に追随されやすい環境になってきているのも事実です。


生態学におけるニッチとは?

そもそも、ニッチの語源は、フランス語のニーチェが由来とされ、

生態学での定義では、生物の種が、生息する環境において果たしている生態的な役割あるいは地位を指します。具体的には、住んでいる場所、餌や捕食者(天敵)の種類などが問題になります。

 

つまり、生態学的見地から考察すると、競合を避けるための場所が、ニッチ=独占ではなく、

生物が存続できる、また、居住のために選択した環境のことを指します。

 

また、ニッチには、基本ニッチと実現ニッチがあり、生物が理論上存続できる環境を基本ニッチと位置付けることができ、外来種などの競争により、棲み分けが起こり、実現された居住空間が実現ニッチとなります。

 

ニッチ構築

生物は、外部環境の圧力により、ニッチ領域の変化を迫られることがあります。その一方で、生物から自ら環境へ働きかけ、相互作用を得る方法をニッチ構築と言います。つまり、ニッチ構築とは、生物と環境のWin-Win(共進化)を構築することになります。

 

ニッチ構築の分類

生物は、環境との相互作用として、自らの居住環境を構築していく過程で、さらに、「錯乱」と「移住」の2パターンがあります。

錯乱は、特定の場所などの局所環境を能動的に変化させる。その一方、移住は、能動的に代替的な生息場所へ移動します。

さらに、環境因子に変化を起こす機動的ニッチ構築、さらに、変化を防ぐ場合を対抗的ニッチ構築と呼ばれています。

 

生物学的見地からニッチ市場を再定義

自社の経営資源に適合した市場や事業領域を選択し、自らが存続ないし成長できる場所を選択、もしくは構築していく。つまり、自社の資源や体制が最も活かせる領域や場所に自社を位置付ける行動と定義できます。

 

ジェネラリストとスペシャリスト

居住環境への対応で、能動的に移住ができるジェネラリスト、また、同じ生息地に特化するスペシャリストが、ニッッチ環境では見られます。また、組織生態学のHannan教授は、「ニッチが多様かつ豊富な資源を基礎とし、組織個体群が多様な資源の元で生息できる場合、ジェネラリストとして、狭い範囲の資源に依存している時にスペシャリストの性質を持つ」と述べている。つまり、ニッチには、広い、狭いという概念が存在しており、ビジネス界の差別化するための狭い市場と捉え化が違うことがわかります。

 

 

すなわち、競争を前提とした差別化戦略は、生物学的なニッチ解釈から乖離するだけではなく、競合他社、既存企業の枠組みから逸脱しないことに集中するあまり、市場の多様性、変化へフレキシブルに対応(ニッチ構築)できないことを意味するのではないでしょうか?

 

それでは、どのように自社の生息環境を定義していくのかを、上記の生物学の定義から自社のビジネスに置き換えてみたいと思います。

 

いかに、現在、未来の顧客における問題を発見するか?

クリスチャンセン教授が提唱している通り、”what to be done”=「何を解決するべきか?」を発見、解決することです。そのためには、表層的な事象に目を向けず、本質的な問題を発見することです。ただし、本質的な問題、つまり、核心に直ぐにたどり着くことは容易ではありません。従いまして、複数の表層的な事象から、共通点を見出し、本質にたどり着きます。

 

  1. 喜び・希望・痛み・不安マトリクス
  2. 時系列:マーケティング・イノベーション

 

共存:ニッチ分化

一般に同じニッチを同時に異なった種が占めることはできないので、時間や空間を棲み分けたり、餌を食いわけたりすることによって共存が可能になります。これが、ニッチ分化と呼ばれています。

 

共生:

「共に生きる」という言葉の意味に、両者が得をする相利(win-win)な状態が想起されやすいですが、一方が得をして、片方が損をする寄生もあれば、一方が得をし、片方には損得が存在しない片利という状態もあります。つまり、共生と言っても、外部環境の変化により、その状態(相互関係)は、常に変化していきます。

 

企業に当てはめてみると、競合他社が誰も行っていない商品・サービス領域を見出すだけではなく、ニッチ市場において、経営資源を棲み分け、シェアできる共存体制、また、自社の利害だけではなく、他社と共存できる環境を構築していくことが肝要です。

 

 

ニッチ市場の開発思考

「時間軸を意識して、顧客の価値となるジョブを探すこと。」ただし、それが、自社が果たすべき領域かは、自社のコア・コンピタンスからドメイン領域を決定していくことになります。

 

つまり、自社の経営資源から何ができるか?という発想法ではなく、いつの時点の顧客価値を創造するか?の発想へ転換、フォーカスしていきます。

 

それには、思考技術として良く用いられる、「演繹法」、「帰納法」が有効です。

 

共存と共生を設計する。

新たな、ニッチマーケット=解決するべきジョブを、顧客の価値創造視点から探したら、次は、自社がすべきかどうか、コア・コンピタンス、経営資源などから、事業領域、ドメインを決定します。

その後、ニッチ(ドメイン)領域で不毛な競合にならないよう、共存、共生の観点から、設計していきます。

さらに、既存の商品・サービスの場合は、上記の設計を基に、事業の修正、さらには、グループ編成の改編を図っていきます。